犬と王様

別にいらない

そんなわけがないだろう
綾那の沈黙を受け流している順の表情からも、それが本心ではないことは伺えた。

そのかわり

悪巧みをしている時のやけに楽しげな笑顔で順が提案したのは

「全寮制では体験できな学生みたいな遊び」

そんなわけで刃友含む下級生まで従えて、わざわざ制服で市街地へ繰り出してのカラオケとなった。
つきあいのいい自分にも十分呆れたが、下級生連中はそれなりに楽しんでいるようだし、当人もワルノリに走りそうなくらい機嫌がいい。

たまには悪く、ない…か…

手拍子と合いの手を後輩から浴びて上機嫌な順を見やりながら、擦り寄るはやてを拳でかわしつつ、綾那は熱いコーヒーを一口すすった。

と、いうようなものではなく、簿記の試験で玉砕した帰り道

手書きコピーで？でわっしょいやるなら、桃太郎組だよなぁ…
沙英は雉っちゃんだよね、ヒロさんが未知？
でもゆのっちが犬っこってのは無理があるよ？
カラオケ行きでなぁ…
久我だったら、身振りとセリフ付きで昭和版キューティーハニーいくよな、絶対

あれ？来週、久我、誕生日じゃね？←

描き上げてみたら某メガネの高校生小説家が
同じポーズしてたっていうね

カラオケいきたいよーぅっ(；´Д｀)